2017年9月24日日曜日

Jon Kabat-Zinn "Mindfulness for Beginners: Reclaiming the Present Moment―and Your Life" [初心者のためのマインドフルネス:今の瞬間‐とあなたの人生を取り戻す]

初心者のためと書いてあるが、本当のマインドフルネスの初心者のためには、むしろ最初の著作である"Full Catastrophe Living"のが良いかと思う。書いてあることに体系性が感じられず、警句集みたいに勝手に文脈を想像して納得できる人はいいが、そうでなければ何のことか分からない人のほうが多い気がする。付属CDは確かに初心者向けのようだが。

個人的にヨガとか気功とかシステマとかその他呼吸法的なものは色々やってきたけど、マインドフルネスも含めて、結局、手段は個人の好みの問題でしかないと思っている。わたしとしては、一々些細なことに動揺するのを止めたいというのが第一なのだが、どれも決定打になっていない。「動揺する時は動揺するのがよろしい」ということで諦めている。不便な生理だが。ただ、呼吸に集中するというのは、一般的に精神衛生に良い事なのだろう。

そして、マインドフルネスは仏教に源流みたいなことを言うが、そういうことなら、手段を取ったら取っただけムダと思っている。

I do not think that this book is for beginners. Like aphorisms, much is left to readers' imagination.

Sounds True; Pap/Com Re版 (2016/07)
言語: 英語
ISBN-13: 978-1622036677

2017年9月21日木曜日

Arthur Conan Doyle "The Sign of the Four" [四人の署名]

"A Study in Scarlet"に続く、シャーロック・ホームズ登場の二作目。タイトル中の二つの定冠詞が付いているのと付いていないので、ほぼ四通りの表記があるのが気になる。

構成自体は前作と似ていて、殺人事件自体も奇妙だが、ホームズが推理していき、最終的には遠い異国の犯罪に淵源が見つかる。大英帝国の最盛期であり、ドイルという人は、こじんまりした犯罪話に壮大な背景を描く趣味なのだろうか。復讐というテーマも共通だ。

とても面白かったが、ああだこうだと考察したり批評するようなことがない。このある種の中身の無さが魅力だろうか。今時の推理小説と異なり、謎自体よりも、殺人の奇怪さと、それを上回る探偵の奇妙な推理力の対比が主眼で、さらに異国情緒が話を壮大化しているというところ。最後の点については、今でも殺人事件は景勝地で起きるのが良しとされているし、これはポーにはなかった点だ。

あんまり語ることはないが面白いのは確か。引き続きホームズを読んでいく。全作読むつもりだ。

The second novel of Holmes. It was a real page-Turner, though I do not have much to talk about it. Just enjoy it.

Wisehouse Classics (2017/10/22)
言語: 英語
ISBN-13: 978-9176374658

2017年9月19日火曜日

Martin F. Price "Mountains: A Very Short Introduction" [山:非常に短い入門]

目次:1.なぜ山が問題か 2.山は永遠ではない 3.世界の給水塔 4.垂直の世界に生きる事 5.多様性の中心 6.保護された地域と観光 7.山の気候変動

山の博物誌といったところ。山にまつわる地学や地理学や経済や文化などが大雑把に語られる。この本に限らず、どうもVSIの地理系の本は、今一つな感じがある。"Desert"は例外的に面白いと思ったが、それと同じで、人によってはこの本に山のロマンを感じるのかもしれない。例えば、地理を選択した高校生などが読むには良いと思うが。わたしはというと、日本で登山していること自体は好きだが、世界の山文化とか環境保護とかにそこまでの興味はなく、今一つピンとこない。砂漠と違って身近なせいかもしれない。

For mountain lovers.