近頃流行りのマインドフルネスの原典というべき本。「マインドフルネスストレス低減法」ということで出ている翻訳は初版のものだと思われる。多分、本質に大差ない。やたら分厚いが、哲学とかその他の背景の説明も多く、実際にマインドフルネスの訓練を始めたいということなら、もっと効率的な本は日本語でもいくらでもありそうだ。訓練中はほかのことは考えるな、変化は勝手にやってくるから、訓練中は何も期待するな、ただ八週間はやってろ、ということだから、思想とか能書きは不要なはずだが、ただ、理屈がないと納得できないというような人のほうが多いだろうから、説得材料で膨らむのはやむを得ない。「今、ここ」に注意を払うことがマインドフルネスの主旨だと思うが、具体的には自分の呼吸と体の各部に注意を集中することでほぼすべてと言っていいと思う。
わたしとしては、座禅会に通っていたり、気功やらヨガやらも多少は経験があるので、色々比較したりもできるが、この本については、そんなことは忘れて、先入観抜きにこれだけで受け止めるほうが良いだろう。近頃はマインドフルネスとタイトルにつく本は、本屋のスピリチュアルの棚に溢れているが、妙な劣化版を読むくらいなら、この原典を読んだほうがいいかもしれない。禅僧もこの流れに乗ってきて、どうも商売色の強さにうんざりする感じもあるが、本質は退屈なほど単純で健全なものだ。それでも座禅よりはかなり色がある。
この本に書いてあるような考え方などは、わたしとしてはむしろ陳腐に思えるくらいに聞き飽きているが、最近、実際に自分が体調に悪くなって初めて真剣に聞く気になるということがあり…。その意味では、読んで良かったし、こういう考え方に馴染みのない人には是非読んでみてほしいものだ。ただ、この類は、実際に健康不安とかがない人は、なかなか読まないし、読んでもピンとこないかもしれない。
To reduce everyday stress, this book is your first choice.
Bantam; Rev Upd版 (2013/9/24)
言語: 英語
ISBN-13: 978-0345536938
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