目次:1.ゲームの規則 2.チェックメイト 3.チェックメイトの方式 4.戦術兵器 5.序盤 6.終盤 7.チェックメイトの攻撃 8.訓練 9.チャンピオンのように指してください 10. 面白い九つの練習
チェスの最善の入門書は"Bobby Fischer teaches chess"だし、ルールを知らない人がこの本から始めるのはあまりお勧めしないが、二冊目くらいにちょうどいいかもしれない。最初の内はルールを説明しているが、最終的には3手メイトとかが普通になってくる。人によってはチェス盤を用意する必要が出てくるかもしれないが、わたしは全部頭の中で解けた。いくつか誤りもあったが、致命的ではない。それよりも印刷の見易さが勝っている。フランス語だが、仮にフランス語が全く読めない人が読んでも、棋譜さえ読めば、たいてい理解できそうだ。
わたしの理解では、チェスにはstructure[戦型]とcombination[読み]の二つの面があるが、この本は大半が後者の面に関するもので、これもFischer本と共通だ。そもそもどんな攻撃やチェックメイトがあるのか分からなければ危険な形も強い形も分からないし、妥当なところだろう。この点、日本語のチェスの本はやたらマニアックなオープニングの研究書ばかりのイメージがあり、強くなりたければ、あるいは楽しみたければ、洋書を読むのは避けられないだろう。日本で一向にチェスが普及しない原因はもちろんあれこれあるわけだが、一つには、こういう優れた書籍が全く翻訳されないことにある。幸いにして日本では、チェスはムダにお洒落なイメージを持たれており、潜在的な需要は大きい。この本はフランスチェス連盟推薦書であり、幾つかの誤りを訂正しつつ翻訳すれば、チェスを指さない人でも将棋ファンには受けるだろうし、学校などを考えれば短期に一万部は行くだろうし、長く売れると思うんだがなあ。本当に、翻訳したい本の一つだ。
Le meilleur livre, pour lire après le Bobby Fischer.
Olibris (2001/1/5)
言語: フランス語
ISBN-13: 978-2916340500
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